大崎小学校で、大崎町とSDGsとのつながりについて考える教員研修を実施

人材育成 教員研修

改めて「SDGs」ってなんでしょう?

テレビや新聞、SNSなどで、SDGsという言葉をよく目にするようになりました。

ただ「SDGsとはどういう意味の言葉なのか、分かるような気がするけれど、自分が取り組んでいることや考えていることが本当に正しいのかな」「世界基準で決まった目標だから、私たちの生活でSDGsの達成に向けてできることは特にないのでは……?」と感じている方も、多いのではないでしょうか。

大崎小学校の先生方もまた、悩まれていました。

「大崎町の子どもたちにとって、ごみの分別は当たり前だけれど、それがなぜ良いことなのかどうやって伝えたら良いんだろう?」「SDGsに関する授業をしたいけれど大崎町の取り組みがSDGsと関連していることを、どんなふうに説明したらいいんだろう」と。

今回、大崎小学校の先生にご相談いただき、SDGsとはどんな考え方なのか、大崎町での生活で考えられるSDGsとはどんな取り組みに該当するのかを一緒に考える、教員研修を実施しました。

大崎町のリサイクルの仕組みが世界につながっている!?

SDGsとは、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」です。

しかし、私(中垣)も初めはSDGsが示す目標や考え方が自分の生活に結びつけられず、悩んでおりました。

そこで調べてみると、SDGsは世界基準で決められた目標に向かって、誰もが参加でき、考えることができる正解がないものだということだと分かりました。

加えて、自分が世界の課題を直接解決することはできなくても、地域での暮らしの中にもSDGs達成のためにできることや考えられるヒントがたくさんある!ということに気がつきました。

例えば、大崎町のリサイクルの仕組みは、2012年からインドネシア共和国のデポック市とバリ州という2つの地域で、ごみの分別・排出・収集・運搬処理のシステムづくりの環境指導を始めています。

指導を始めた結果、以前は「国内で最も汚い都市」と⾔われていたデポック市が、今では「ごみ処理先進地」としてインドネシア政府から表彰を受け、国内外からの視察や研修を受け⼊れられるまでになりました。

大崎町の仕組みが導入され、インドネシアのごみ問題解決に繋がったということは、住民の方々や子どもたちが日々行っている分別がインドネシア、ひいては世界の問題を間接的に解決している、と考えられます。

長年大崎町が取り組んでいることが、こんなふうに世界とつながっていることを改めて理解し「すごいな、大崎町」と感じました。

SDGsと大崎町の取り組みは、どう繋がっているのか考えよう

大崎小学校研修
まずはSDGsについてご説明

研修当日。

まずはSDGsとは何かという話から始まり、大崎町と世界の問題との接点や、私自身の気づきも合わせてお話させていただきました。

次に4つのチームに分かれて、SDGsの目標やターゲットと、大崎町のリサイクルの取り組みや学校での身近な行動が、どうSDGsと繋がっているのか、それぞれ考えてもらいました。

特に答えは用意せず、ご自身や子どもたちの行動の先を想像してみることが目的です。

SDGsの169のターゲットを確認しながら、学校での活動や冒頭の説明を振り返り、ワークシートに記入します。議論が盛り上がり、シートを2枚も書いてくださったチームもありました。

SDGsと身近な行動をつなげて考えるワークシート

大崎有機工場では、汚水を施設から出さない工夫の一つとして、おがくずを使用しています。あるチームでは、その取り組みがターゲット6.6「水に関する生態系の保護と回復」と14.2「生態系の保護と修復」につながるのではと発表。

「おがくずを利用し生ごみバケツを処理」→「汚水を出さない」→「水質が向上する」→「うなぎ等の養殖や水耕栽培ができるのでは」という流れを考えてくださいました。

生ごみバケツの処理におがくずが使われていることは、大崎リサイクルシステムの中でもはや当たり前な取り組みの一つではありますが、さまざまなところに影響を及ぼしあっていることがよくわかるストーリーで大変驚きました。

チームごとにワークシートに書いたストーリーを発表

研修が終わった後、ある先生から「大崎町に赴任してから、分別はとても大変だと思っていた。今日の話を聞いて、行動の先を思い描いてみると少し見え方が変わった」と言っていただき、日常生活のささいなことに対して視点を変えて見ることの重要性を改めて感じる機会となりました。

とはいえ、ごみという、身近ですが意識しづらいことに取り組むには、将来の世代や世界の課題ばかりに注目していては、おそらく長続きしないだろうと思います。まずは、分別やリサイクルが自分たちの生活を豊かにしてくれる取り組みだと、感じられることが大切なのではと感じました。

「大崎町に住む自分たちや先生方、子どもたちが日々行っている分別を、より自分ごととして捉え、生活の豊かさを実感できるようにするにはどんな仕掛けがあるだろうか」。

そんなことを考えた研修でした。

(文・広報PR担当 中垣るる / 企業連携担当 井上雄大)

クレジット

ご協力いただいた方々

  • 大崎町立大崎小学校 校長 下吉靖孝
  • 大崎町立大崎小学校 鈴木和子
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