環境やSDGsを学べる教材を大崎町内の先生方と一緒に開発するプロジェクトが始まりました

人材育成

大崎町のリサイクルシステムを基盤とした環境やSDGsについて学べる教材を、大崎町の教員とともに1年間かけて開発をし、導入・検討するプロジェクトが始まりました。

大崎町が長年行ってきた資源循環の取り組みを改めて見つめなおす教材は、町内の子ども達にとって、国際的な目標であるSDGsに目を向けるきっかけになると同時に、普段耳にするニュースと生活が密接に関わっている実感を持てるきっかけになる可能性があります。

大崎町SDGs推進協議会と大崎町教育員会がともに取り組む第一弾のプロジェクトとして、教材開発会合の第一回目の内容をご紹介します。

子どもも大人もリサイクルを実践する地域で

学校で使用する教材を開発するプロジェクトは、将来の循環型社会を担う人材を町内で育てたいという協議会メンバーの想いから、立ち上がりました。

リサイクル率日本一を何度も獲得している大崎町では、子どもたちも給食時に出たデザートの容器を水道で洗い、乾かしています。リサイクルを当たり前のものとして実践しているのは、大人も子どもたちも同様です。

子どもたちに、毎日の行動の積み重ねが、”世界の未来をつくる”ことにつながっていると伝えられれば、毎日のリサイクル実践への見え方が変わり、SDGsや資源循環への興味関心を持ってもらえるかもしれない。そんな仮説を持って、大崎町教育委員会の須藤信司さんにご相談し、議論を重ねることで、教材開発プロジェクトという形になりました。

先生方のアイデアとともに

公教育の中で子どもたちにSDGsや循環型社会に興味を持ってもらうために教育委員会と協議会でどのようなことができるのか、どのようなアプローチがよいのか、教育委員会の須藤さんと検討した結果、各校から先生方に参加していただく「委員会」を設置することになりました。大崎町内には、全7校(小学校6、中学校1)の小中学校があります。各校から1名ずつ担当教員を選定いただき、その先生方と教育委員会の須藤さん、協議会担当者による「教材開発委員会」が発足しました。この委員会では、2022年度4月から月に1回集まり、ともに学びながら教材や指導計画をつくり、副教材として学校で使用することを目指します。

さらに、町外から広い視点や専門的な知識を持つ方に、プロジェクト全体の設計や企画へのアドバイスをいただくため、教育やワークショップ開発等の分野で活躍されている元木一喜さんに協力をお願いしました。

「“SDGs”についてどう思う?」という正直な気持ちを話し合った第一回

5月13日に実施した第一回は、ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅3階に集合し、まずは自己紹介からスタートしました。こちらから一方的にお願いする形ではなく、あくまで一緒に考えるチームとして、協議会も教育委員会も先生方もフラットに話せる関係性づくりを目指し、長めに時間を取りました。

自己紹介で使ったシートには、「お名前」「今のご気分(天気の絵)」「趣味や関心」「”SDGs”に対する印象」を記入していただいた
教材開発

その後、協議会が教材開発に着手するに至った背景やこのプロジェクトにかける想いをご説明し、その後は先生方も交えて、話を聞いてみて正直にどう思ったか、どう感じたかを共有しました。

先生方からは、「現在中学校で行っているSDGs教育もあるため、内容が重複しないように小中学校で連携していく必要がある」「新しい教材も作ってみたいと思うが、業務量との兼ね合いが不安」「大崎町のリサイクルの取り組みが世界の課題にどう繋がっているのかもっと知りたい」といった感想をいただきました。

教材開発
教材開発
教材開発

その後、教育委員会の須藤さんから最終的に目指す教材のイメージとして「子ども達が、授業をきっかけに自分の興味のあることを探求し始める姿勢が目指したい姿。完成した教材を使う場面では、いわゆる通知表やテストの点数と同じ基準で評価を行わない授業設計をするのが望ましいのではないか」というお話がありました。

最後に、参加者の全員で感想を共有する時間を持ち、ある先生からは、「ぜひ他の地域で既に使われている教材を知りたい」と前向きなご意見をいただきました。

意見交換のパートでは、現場で日々授業を考え実践している先生方だからこそ見える、我々では思い浮かばなかったアイデアがでたり、現場で取り組む場合の障壁について知ることができました。

町内の学校で副教材として使ってもらうために、先生方ご自身が「自分の授業で使いたい!」と思える教材をともに開発しています。

(文・企業連携担当 井上雄大)

プレスリリース

取材記事

TOP