大崎町で「OSAKINI Day 2022」を開催しました(後編)

OSAKINI Day

11月8日に、協議会の取り組みを住民の皆さまにお披露目する報告会を、大崎町内で開催しました。

この記事では、当日設置した量り売りのお買い物体験ブースと、取り組み紹介の展示パネルを設置するにあたって工夫した点と、ご協力いただいた方々やご参加くださった住民の皆様の感想を、ご紹介します。

量り売りでの買い物体験を通して「ごみの出ない暮らし」を考える

今回、量り売りの体験ブースは以下の3つのポイントで設計しました。

  1. お客様に、量り売りは便利だと感じていただける
  2. お客様が自分で好きな量を好きな分、購入できる
  3. 出店者の方々に「量り売り、うちでもやってみよう」と思っていただける

これらを実現するために、株式会社寺岡精工様の量り付きレジを特別に使用させていただけることに。出店者さまは、町内外から7つの店舗がご協力くださいました。

大崎町内で少量多品目の野菜を育てている「トモタカファーム」様からは旬のさつまいもを3種類ご提供いただいた
宮崎県日南市でイベント出店形式で量り売りのお店を営業されている「Marae」様はスパイスやドライフルーツ、ナッツなどをご準備くださった
大崎町でお弁当やお惣菜を販売されている「ママコト」様は、小腹を満たせる焼き菓子やキッシュ、スコーンなどをご用意いただいた
大崎町の老舗である冨士屋製菓有限会社様には、地域の素材を使ったフルーツキャンディを6種類販売いただいた。冨士屋製菓様は、すでに量り売りの出店や個包装を減らす取り組みを進めている
大崎町のふるさと納税の返礼品としても大人気の冷凍やきいもは、町内の株式会社都食品様からのご提供
東串良町でお惣菜を販売している「Soerw Coco」(ソエルココ)様はチキン南蛮など夕食のおかずになるお惣菜の提供とご自身が「ずっとやってみたかった」というカレーの量り売りを実施
すでに醤油の量り売りに取り組んでいる東串良町の山中醤油株式会社様には、だし醤油やお酢、塩の量り売りを行っていただいた
量り売りは、出店者さまも我々もお客様のほとんどが初めての試み。ブースの入口で手順を説明させていただき、いざお買い物へ
買い物用のカゴは、町内唯一のスーパー「だいわ大崎店」様にお借りした
お客様は買い物をする前に持ってきた容器の重さを測る。事務局員の想像以上に、ご持参くださる方々が多く、驚くとともにとても嬉しい
当日は、容器を忘れた方々や追加で買い物をしたい方々のために紙袋を無料で配布
慣れないレジ操作だったが、機器をご提供くださった寺岡精工の社員さんがつきっきりで対応してくださった

ごみの出ない方法や素材の生かし方を考える

「OSAKINI Day 2022」ではコンセプトとして、いかにごみを出さないか、あるいは素材をいかに有効活用するかを掲げ、制作チームが中心となって考え抜き、いろいろな方法を試しました。

展示パネルには回収率及び、リサイクル率がともに高い段ボール板を使用。単一素材としてリサイクルできるよう、ポスターは段ボール板に糊で貼り付けるのではなく、クリップで4角を留めただけ
展示パネルの足元には、住民が分別をし、そおリサイクルセンターでプレスされた空き缶プレスと、PPバンドを使用。いずれも使用後はそおリサイクルセンターにお戻しして再資源化される
量り売りコーナーの立て看板にも段ボール板を使用。接着剤は一切使わず、後で分解しやすいよう紐で縫って自立型の立て看板に

「OSAKINI Day 2022」を終えて

協議会は2021年4月、まさにコロナ禍で立ち上がったため、住民の皆さまと交流する機会がほとんどありませんでした。そのため協議会の活動が、どのくらい住民の皆さまに受け入れられるものなのか、非常に見えにくい1年半でした。

しかし、「OSAKINI Day 2022」を開催して、住民の皆さまが熱心にトークを聞いている眼差しや、量り売りを積極的に体験されている様子を見て、我々が目指したい方向性は間違っていないのだと改めて実感して、少し胸がじんわりと温かくなりました。

「OSAKINI Day 2022」は、協議会メンバー全員が役割を持って取り組み、また、ページ下部のクレジットにあるように本当に多様な方々のご協力があって、大成功に終えることができました。

今回のイベントを出発点として、町との関わりをもっと増やし、大崎町のみんなで「世界の未来をお先に」つくっていけたらと思います。

(写真:リアライズ、文:ディレクター 藤田香澄、広報・制作担当 立花実咲)

感想と反応

参加者アンケートのコメント

<基調講演を聞いてみて>

・気象の年々の変化は感じているが、もっと危機感を持ち生活した方が良いと考えさせられました。

<協議会からの活動報告を聞いてみて>

・こんなにも沢山の企業や海外から注目されているとは・・・改めて誇りに思います。大崎町って未来都市だったのか!!と嬉しくなりました!

・大崎のあたり前→未来のあたり前(自信につながります)

<量り売りを体験してみて>

・普段、深く考えずに商品を手にしているが、量り売りを体験すると、本当にどの位の量が必要なのか?考えて物を買うようになりました。

・「小さめの容器の方が買い物しやすいなあ」と。思ったよりハードルが高くないと感じました。ごみが出ないのは有り難い。

出店者・ご協力企業様からのコメント

今回、量り売りの出店のお声かけをいただいた時にまず真っ先に頭に浮かんだ事が「楽しそう!」という事でした。

自分のお店で現在量り売りをしている粒マスタードの他にも、種類を増やしていきたいと思っていましたので、いい機会になると思い、出店させていただきました。

当日は、量り売りに対してお客様の反応がどうかが不安でしたが、皆さんとまどいながらも楽しそうに商品を量られている姿がとても印象的でした。

また、ご招待で来られていた事業者の方から、ご自分の店舗でも量り売りを導入していきたいというお話を聞くこともできました。(実際に量り売りをどういう風にしていくかまで、細かくお話しをされていました。)

”量り売りは都会でしているもの”というイメージを持たれている方が多いと実感していましたが、実際に導入していったらスムーズに受け入れていただけるのでは?と、イベントを体験してみて思いました。量り売りは無駄を省くことができ、自分達の生活に役立つ便利なもの。そして、事業者としてお客様とのコミュニケーションも取りやすくなると実感しました。

Soerw Coco様

今回、量り売りのイベントにお誘いいただきありがとうございました。

リサイクルや、エコの観点から、量り売りにも興味があり参加させていただきましたが、実際にグラム単位で金額を算出することが普段ないのと、その日の天候などで出来上がりの具合が変わる食材には、なかなかハードルが高いなと感じました。

また、量り売りで、グラム単価が同一でないと最後の会計が結構大変ということで、結局、来場者の方が持参いただいた容器に入れず、紙袋を何枚も使うという結果になったのが、次の課題かなと思いました。

イベント自体はとても楽しくてよかったと思います。

ママコト

これまで何回か東京の百貨店さんで量り売りをさせていただきましたが、地元で量り売りの販売をしたことはありませんでした。今回のイベントにご参加されているほとんどの方が、自分で容器や袋を持参されて、必要な量だけ買って行かれるのを見まして、今後自社店舗を建てたときに昔ながらの店舗、皆さんに懐かしいと思っていただけるような店舗にするための参考になり、これからどのようなスタイルの店舗が必要かイメージすることが出来ました。また、もっと広い場所で、レジがもう一台あったほうが皆様にゆっくりお買い物していただけたのではないかと思います。

冨士屋製菓様

量り売りレジを通じて、「OSAKINI Day 2022」に携わらせていただき、有難うございました。 プラスチックごみが大きな環境問題になるなか、容器包装ごみやフードロスの削減に貢献することができる「量り売りの魅力」を、少しでも大崎町の皆様に感じていただけたのではないかと嬉しく思います。 なにより今回のイベントを通じて、大崎町様、大崎町SDGs推進協議会様の活動の一端に触れることができたことは、環境に携わる企業の一員として貴重な学びを得る場となりました。 自宅から容器を持参し、お客様が自分好みに必要な量だけ購入する量り売りが、よりスタンダードな買い物スタイルとして大崎町を初め、鹿児島県そして全国へ広まることを願っております。

株式会社 寺岡精工様

プレスリリース

クレジット

ご協力いただいた方々 

<登壇>

  • MBC南日本放送所属 気象予報士 亀田晃一様
  • 宮崎大学 地域資源創成学部 准教授 土屋有様
  • 鹿児島相互信用金庫 地域支援部 副部長 岩下久志様

<量り売りコーナー>

<備品貸し出し>

<会場・設営>

<企画・制作>

  • MBC南日本放送 営業局 テレビ営業部 副部長 豊丸大輔様
  • チラシ、パネル制作:株式会社G&Company
  • 登壇資料作成:仲絵理⾹様
  • イベント写真・動画撮影:リアライズ
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